2006/08/20

家庭教師美人投票は単なるタイアップ企画

家庭教師のトライが「T-1グランプリ」と称して、女性インターネット家庭教師の人気投票をやっている。こちらをクリックしてみていただきたい

一般投票は2006/08/04から始まっているので比較的ホットな話題だが、「第2回」とある。昨年も行われ、『トリビアの泉』でも紹介されたとあるので、高いテレビ広告料を支払わずに会社の名前を売るための、かなりすれすれの方法だと感じた。

だって、こんな「家庭教師の美人投票」のようなことをすれば、まず優秀な女子生徒顧客を確実に逃すし、一部の親には明らかに反発を食らう。家庭教師のトライのブランドにマイナスの影響がまったくないはずがない。

この家庭教師の美人投票の候補者である教師プロフィールを見ると、ブログへのリンクがあり、キャンパスパークというコミュニティーサイトが選ぶミスキャンパスとのタイアップ企画であることが分かる。

キャンパスパークは株式会社ナレッジパークという会社が運営しており、同社子会社のモデル事務所に所属する女子大生・女子短大生モデルは1800人いるらしい。このモデル事務所の社長のブログ「SEIKO'S IR」はこちらをクリック

要するに、「T-1グランプリ」の候補者たちは、家庭教師のトライに普通に登録してきた女子大生の中から選ばれたわけではなく、ミスキャンパスの中から選ばれた30人が「T-1グランプリ」の候補者になっているだけなのだ。モデル事務所から派遣されているのだから「美人」ぞろいなのは当たり前なのである。

ナレッジパーク子会社のモデル事務所に所属する、1800人の女子大生・女子短大生モデルはブログのアクセス数(正確にはページビュー)を競争させられていて、こちらの「ミスキャンブログ」に、月間ページビュー250,000以上、100,000以上、それ以下という具合に顔写真つきでランク付けされている。

これら女子大生とモデル事務所の契約内容がどうなっているのか知らないが、卒業までと契約期間が明確なら、モデルとのトラブルも少ないだろうし、学生のアルバイト感覚なら、事務所の取り分も一般のモデルより多めにできるのではないか。事務所側はローリスクで、1800人の中から稼げるモデルが見つかればラッキーというハイリターンな商売だ。

仕事が来なかったり、ページビューが伸びなければ、モデル自身の努力が足りないのだという自己責任にできるし、そんな責任転嫁で事務所側が後ろめたい思いをするのも本人の大学卒業まで。現役大学生ということで家庭教師のトライの「T-1グランプリ」のような企画ともタイアップできる。

実に素晴らしい(もちろん「ヒドい」という意味で使っているのだが)大学生活だ。全入時代の大学の新しい姿である。

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2005/05/22

女性ヘルパーの4割がセクハラ経験

山形新聞の2005/05/20付け記事によると、山形県天童市内で県内187事業所を通じて1179人の女性ヘルパーを対象としたアンケート調査で、その4割が利用者や利用者の家族からセクハラを受けた経験があり、勤務する事業所に報告しても、まともに取り合ってもらえず泣き寝入りになるケースが多いという。

介護保険制度で介護が有料化されたことから、逆に「何をやってもいい」という意識が利用者に生まれているのではないかという分析もあるようだ。当然、被害者となったヘルパーはセクハラを受けた利用者の家庭を訪問することに嫌悪や恐怖を抱くようになる。

様々な制度上の欠陥が指摘されている介護保険制度だが、こういったセクハラのようなミクロレベルからの「自滅」が起こるのは、ウェットな日本社会ならではだ。介護保険制度は今まで身内が行っていた介護を「社会化」する制度なわけだが、社会化しても介護行為自体のもつウェットな「甘え」の側面は残り、ヘルパーとの間でそれが再現されてしまう。

いくら介護事業所でセクハラ防止の取り組みをしても、利用者側の意識を改善する対策でなければ効果はない。「成人どうしの身体的接触が必要な私的領域」の社会化としては、介護は近代社会が性的行為の社会化の次に経験する二度目の社会化ではないか。

だとすれば、性的行為が社会化された結果、良くも悪くもこれだけの産業に育ってしまっている現実を考えると、女性ヘルパーをセクハラの被害から守るには、残念ながら、本当に残念ながら、介護サービス利用者に対して既存の性的サービス(デリヘル等)を代替案として勧めるしか現実的な解決策はなさそうだ。

「介護利用者の男性に性欲がない」などというのは単なる幻想である。そのことを介護事業者は認識せざるをえないのかもしれない。さもないと介護の社会化という大きな社会的事業そのものが破綻してしまう。本当に残念なことではあるが、避けて通れない問題のようである。

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2004/06/23

家族主義経営のウォルマートで性差別訴訟

■家族主義的な経営で有名な米ウォルマートで百万人以上が原告となる雇用上の性差別訴訟が起こったようだ。かなり意外な感じがしたのだが、以前の企業イメージが非常に良かっただけに、今回従業員から訴訟を起こされたという事実だけで、訴訟結果の如何に寄らず、同社の社会的な評判(reputation)はかなり悪化するのではないか。

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2004/04/05

テレビで久々に瀬地山さんを拝見

■昨日テレビ東京の夕方の情報番組を見ていたら、お役所風には「男女共同参画社会に向けて」とでも表現すればいいテーマで、コメンテータとして瀬地山さんが登場していた。僕が学生時代に性差別の問題を考え、かつ日本女性学会の総会などに参加し、考えるだけではなく行動もしていた頃に知り合ったのだが、その後北海道大学に働き口が見つかったと聞いた後、僕の方は就職して性差別社会にどっぷり浸かってしまっていたので消息も存じ上げていなかったが、どうやら僕の古巣で無事助教授に就任されているようで何よりだ。番組でも控えめながら的確なコメントで、変わらず誠実さがにじみ出ていた

When I was watching a TV program on TV Tokyo yesterday's evening, whose theme was gender-equal society, I found Mr. Sechiyama as a commentator. When I was a feminism activist as a university student, I got acquainted with him in the buffet party after the Japan Women's Studies conference. Later I knew that he found a job in the University of Hokkaido. Since I graduated from the university and started working in the sexist business world, I have had no information about him. Today I searched his name on the web and found that he became assistant professor of the University of Tokyo. In the TV program yesterday, he made modest but exact comments and I could feel his scholarly integrity.

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2002/02/15

新聞の迷惑メール記事に見る性差別

今朝、日本経済新聞の社説を読んでいてギクッとした。「迷惑メールの防止急げ」というタイトルだが、その末尾に次のような文面がある。

「迷惑メールは男女の出会いからわいせつ画像まで様々で、『迷惑』の定義も受け手により異なるため、それを一律に規制することは難しい。しかし、だれもが携帯電話を持ち歩くようになった今、携帯電話の利用者には女子高生など数多くの未成年者が含まれている。教育上の観点からも規制は慎重かつ早急に進めなければならない。役所間の縄張り争いをしている時間的余裕はない」。

議論の主旨には賛同するが、では男子高校生には迷惑メールに関する教育上の配慮は必要ないということなのか。「教育上の観点」にかんする議論に、ついつい男子高校生を無視して「女子高生」だけをとりあげてしまう、この無意識の選別に、日本経済新聞社の女性差別意識が垣間見えてひじょうに興味深い。

男子高校生には多少わいせつな迷惑メールが届いたとしてもいいが、女子高生にはその種のメールは届いてはいけない、という無意識の前提には、女子たるもの結婚するまで無垢でなければならない、男子たるもの結婚するまで多少の性的な冒険も必要だ、という処女性信仰が透けて見えないだろうか。そもそもこんな詮索をする以前の問題として、男子高校生を無視して「女子高生など数多くの未成年者」と勢いで書いてしまうのはいいが、それを「中高生など数多くの未成年者」と書きなおせない人物に、公正な報道を使命とする新聞記者がつとまるのか、はなはだ疑問だ。

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1999/05/30

「介護は嫁がするもんだ」という常識の打破から

■今朝5時半に目がさめてしまって、もうひと寝入りできるまでと、仕方なくTV音声も聞ける携帯ラジオでTVを聞いていたら、フェミニズム関係者にはおなじみの樋口恵子氏が来年4月に導入される介護制度についてしゃべっていた。先進諸国における福祉制度の論争は「保険か税金か」という財源の話になるのだが、女性差別の根強い日本ではまず「介護は嫁がするもんだ」という「常識」を打破するところから始めなければならないのだという。日本は先進国といいながら、実際には古臭い儒教道徳から抜け出せない文化後進国なのだ。

その他にも「老人介護は昔からあった問題なのではない」という興味深い指摘があった。ことあるごとに「親の面倒は昔から嫁が見てきたもんだ」というご老体や自民党議員がいらっしゃるが、大正生まれの世代までは「人生50年」、介護が必要な年齢になる前にほとんどの人が寿命を迎えた。実は老人介護問題は昭和以降に生まれたきわめて「新しい問題」なのだ。それをあたかも大昔から存在したかのような言い方をすることで、介護問題は先送りにされつづけてきた。「あそこの嫁は親の介護を他人まかせにして」と陰口をいう人たちこそが、日本の老人介護問題を悪化させているというわけだ。

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1999/04/02

改正男女雇用機会均等法施行

■昨日から改正男女雇用機会均等法が施行された。ニュース番組ではコンピュータ2000年問題と同じくらいの扱いだったように思う。たとえばJALの女性乗務員がさっそく男女格差の是正を求めて労働省に調停を申し立てたと報道されていた。

ご存知ない方のために付け加えると、均等法改正前は会社の「お許し」が出ない限り、いくらひどい性差別があっても調停申し立てはできなかった。今回の改正で「お許し」がなくても調停が可能になる。おそらくほとんどの日本企業では陰に陽にセクハラが横行している。あなたがセクハラと思っていなくても立派な「環境型セクハラ」の場合だってある。

そのくせ2000年問題に比べて企業のリアクションが地味すぎると思うのは僕だけだろうか?事の重大さにまだ気づいていないだけなのか。それでも多くの大企業にはセクハラ相談窓口が設置されていると思う。しかし同じ社員に社内のセクハラ相談などできるわけがない。窓口担当が男性社員だとしたら、その会社が問題をまじめにとらえてない証拠だ。そういうときは全国の県庁所在地に女性少年室という労働省の出先機関があるので、有給を取ってちょっと相談に行ってみるのもいい。

今回の改正を機に上述のJALの他に、住友系金融機関のOLさんたちも調停を申し立てたようなので、新聞やニュースでウォッチしておくと自分で調停を申し立てるときの参考になるだろう。とにかく僕のような男性社員さえ不愉快にさせるようなセクハラおじさんには、ちゃんとした罰を与えよう。[参考]改正均等法についての労働省のページはこちら

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1998/03/23

塩野七生の中途半端なフェミニズム

■今、日経新聞に『女たちの静かな革命』というひじょうに面白いコラムが連載されている。先月そのコラムに塩野七生が「仕事で男か女かということは関係なく、女らしくできる仕事などない」と書いたことに対して、賛否両論があった、ということが今日の朝刊の同コラムで報告されていた。

「仕事に男も女も関係ない」というのは、リベラリストの塩野七生らしい意見だが、残念ながら彼女はウーマンリブ以降のフェミニズムにあまりに無知のようだ。今の社会で、「仕事に男も女も関係ない」と言ってしまうことは、「過労死もいとわないほどの男たち並みに仕事をする気のない女は、男よりも安い月給で働かされて当然であり、いわんや家事労働に経済的見返りを期待するのはナンセンスである」という意味になってしまう。塩野七生はそのことを分かっていない。

フェミニズムは、今の時代の男らしさの価値を無批判に受け入れて、女たちが自分も男並みになることを目標にするのではない。そうではなくて、今の時代の価値観を作っている男たちの発想そのものに対する異議申立てであり、塩野七生が思っているよりももっと深い価値観の転倒である。

その意味で、今日の朝刊に紹介されていた塩野七生への異議の中では、「女性が家事を担ってきたことは恥ずべきことではない。他に選べなかったことが問題なのだ」という30歳の主婦の方の意見が、塩野七生よりもはるかに的を得ている。

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1998/01/13

男性が女性的に生きることへの不寛容

■女性が男性的に生きることに対する社会の目よりも、男性が女性的に生きることに対する社会の目はかなり厳しい。このことは、日本の社会が本質的に「女ぎらい」であることを示している。

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