2008/02/29

携帯電話各社の社員間24時間無料プラン比較

最近、携帯各社が社員間通話が、固定の月額基本料を支払えば24時間無料になる法人向けサービスを発表しているが、一長一短あるようだ。ここでは携帯電話が11台以上に話を絞る。

NTTドコモは、同一法人の同一グループ内300台までのドコモ携帯間なら、24時間通話無料になる。対象となる料金プランは多く、営業など社外通話が多い場合は、基本料金の高い「タイプLL」等を選んでドコモ以外への通話料を抑えられる。

KDDIは、同一法人の同一グループ内299台までのau携帯間なら、24時間通話無料になる。KDDIの特長は、同一法人のKDDIの固定電話~au携帯、固定電話~固定電話間の通話まで無料になる点だ。ただし1回の通話は90分までという制限がある。

対象となる料金プランはNTTドコモほど多くないが、営業など社外通話が多い場合は、基本料金の高い「プランLL」等を選んでau以外への通話料を抑えられる。

2008/02/28に発表されたソフトバンクの「ホワイト法人24+」は、同一法人のソフトバンク携帯間なら、何台でも24時間通話無料になる。ソフトバンクの特長は台数制限がない点だ。しかし対象となる料金プランが「ホワイト」と「Wホワイト」のみなので、ソフトバンク以外への通話がNTTドコモやKDDIに比べて割高になる。

例えばNTTドコモの「タイプLL」の他社への通話料は30秒7.5円、auの「プランLL」の他社への通話料は1分15円、対してソフトバンクの「Wホワイト」は30秒10円(税抜き)。

1分換算するとNTTドコモは15円、auは15円、ソフトバンクは20円。1分5円差は大きい。社員間より社外通話が多ければソフトバンクが明らかに不利だ。

以上、あくまで通話料のみを見た場合、社員間を無料にしたい携帯電話の台数が300台以下で、かつ、携帯から社外への通話がはるかに多ければ、NTTドコモ、KDDIが有利となり、携帯電話の台数を加味して、社員間の通話がはるかに多いなら、ソフトバンクが有利になりそうだ。(あくまで2008/02/29現在のお話)

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2008/02/01

Asteriskビジネスに野村総研が参入

オープンソースのIP電話交換機「Asterisk」ベースの製品「xCube」を開発したモバイル・テクニカと野村総合研究所がシステムを共同開発したようだ。

モバイル・テクニカ社のニュースリリースはこちら。

「モバイル・テクニカと野村総合研究所が データセンター向け無線LAN位置検知システムおよび Click to Callソリューションを共同開発」

共同開発の中身は本質的な問題ではなく、いよいよAsteriskのようなオープンソース系のIP電話交換機ビジネスに、野村総研のような大手SIコンサル会社が進出してきたということになる。

国内のAsteriskはもはやベンチャーが手を出す段階ではなく、ビッグビジネスになりつつあるということだろうか。

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2008/01/28

スマートフォンに関するガートナー・ジャパンの事実誤認記事

世界中でBlackBerryが大流行しているというデマはいい加減やめてもらいたい。ガートナーのアナリスト堀 勝雄氏が「IT media エンタープライズ」の記事『日本のユニファイドコミュニケーションが遅れているわけ』でBlackBerryの普及度について完全な事実誤認をしている。

事実誤認の部分を引用する。

「海外ではスマートフォン『BlackBerry』が業種・職種にかかわらず広く使われており、UC製品との連携に対する期待感が高い」。

これが事実誤認であることは同じ「IT media」内のモバイル関連コーナー「IT media +D mobile」のこちらの記事『携帯に押し寄せるPCのトレンド、「業界大手との競争には慣れている」――英SymbianのクリフォードCEO』の2枚目のスライドにある棒グラフを見れば一目瞭然だ。

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左から「EMEA(=欧州・中東・アフリカ)」「日本」「中国」「北米」「ROW(=世界の残りの地域)」それぞれのスマートフォンのOS(基本ソフト)のシェアが棒グラフで表示されている。BlackBerryは「RIM」という明るい水色の部分で、確かに「北米」では3割以上のシェアだが、世界の他の地域では5%以下である。

これを見れば、「海外ではスマートフォン『BlackBerry』が業種・職種にかかわらず広く使われており、UC製品との連携に対する期待感が高い」という文章が完全に間違いで、「北米に限って言えば...(以下同文)」と訂正しなければならないことが分かる。

上記のグラフを見れば、世界的に見て北米がいかに特殊な市場か分かるだろう。北米の市場をもって世界標準とするのは単なる偏見である。このような事実誤認を堂々とWebサイトの記事にするのでは、ガートナー・ジャパンの市場分析そのものの信憑性が疑われるのではないだろうか。

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2008/01/25

中小企業向けのIP電話運用丸投げサービス登場

2008/01/23、企業向けIP電話でおもしろいサービスが発表になった。USENグループのUCOMとシスコシステムズが協業して、中小企業向けにIP電話システムの導入から運用まで丸ごと面倒をみるいわゆるマネージド・サービスで、「uni-mo!」(ユニーモ)という名前だ。

詳細はこちらのWebサイト。「uni-mo!とは」

Flash動画を多用した分かりやすいWebサイトになっている。

IP電話交換機とIP電話機は、世界中の企業で導入実績のあるシスコシステムズ製の機器を使い、ネットワークと運用サービスはUCOMが請け負うという体制のようだ。

ネットワーク業者とIP電話機器業者が組んだこのような「丸投げ」型のIP電話運用サービスがどんどん出てくれば、中小企業はいちいち自社内にIP電話システムを構築することなく手軽にIP電話を導入して、IP電話のコスト削減効果の恩恵を受けられるので、IP電話普及の起爆剤になるかもしれない。

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2008/01/24

ITProのトンデモ連載「企業インスタント・メッセージのすすめ」

日経ITProに「企業インスタント・メッセージのすすめ」という珍妙な連載記事があるのでいちいち反論してみたい。下記の2つの記事だ。

IMの便利な使い方(その1)、会議中でも、在宅ワークにも
IMの便利な使い方(その2)、英語力のカバー、ちょっといいですか?

なおIMとはチャットソフトのことで、マイクロソフトやIBMが企業向けの製品を出している。

まずこの記事によれば、IMはURLやメールアドレスを正確に伝えるために「近くの同僚や電話の相手とのやりとりにも有効」とあるが、こんな理由だけで100万円以上かけてIMシステム一式を導入する企業などない。

次に「会議にも活用できる」として、会議中にオフィスの在席者に「急ぎで資料を5部コピーして会議室に持ってきてくれる?」といった依頼ができるとあるが、会議資料くらい事前に用意しよう。また、会議中に別の担当者に確認するくらいなら、その担当者を初めから召集しよう。会議の準備不足を補うためという理由で、IMシステム一式の投資は正当化できない。

「総務・管理系のプッシュ型活用例」として、提出書類を現場に督促するのにIMが効果的とあるが、直接会えないときにいちばん効果的なのは電話だ。IMのメッセージは他の電子メールに埋もれることもないとあるが、電話なら逃げようがない。やはりこんな下らない理由でIMシステム一式の投資を正当化できるとは思えない。

「プレゼンスで上司をつかまえろ!」として、IMがあれば「在席中」になった瞬間に上司に声をかけに行けるので便利とあるが、そこまで多忙な上司がIMのプレゼンスをいちいち真面目に設定するだろうか。非現実的な想定だ。IM上では「在席中」なのに、行ってみたら席にいない、となるのがオチだろう。やはりこんな理由でIMシステム一式の投資は正当化できない。

「安心して在宅ワーク」として、在宅勤務者との連絡が気兼ねなくとれるようになるとあるが、実例として「電話と電子メールさえあればテレワークはできないことはない。しかし、IMがあることでお互いの仕事がやりやすくなるのであれば導入すべきと判断した。事実そのとおりの効果があった」という企業担当者の発言が引用されている。

まず在宅勤務を幅広く許しているような大企業なら、IMシステム一式の導入投資くらい何でもない可能性が高い。この記事を読んで、本当にIMが必要かどうか見きわめたい企業が、在宅勤務など行っているだろうか。

次に「こっそり助け舟」という部分は、通信販売のコンタクトセンターで、スーパーバイザーがオペレータに指示を出すのにIMを利用するという、きわめて特殊な導入事例なので、これをもってIM投資を正当化できる企業はほとんどない。

「英語力をIMでカバー」として、英語のヒアリングに自信がなくても、IMなら海外拠点の外国人と打合せできるとある。しかし本当にIMだけで会社の会議が成り立つだろうか。一度も顔を見たことがなく、英語で話したこともないような相手と。

仮に顔を知っていて、下手な英語であいさつくらいしたことがある相手だとして、果たしてリスニング能力のない日本人が、複雑な話し合いをするにあたって、どの程度「通じる」英語を、IMで許されるスピードで書けるだろうか。

いくらIMが「書き言葉」だからといって返答するまで5分もかかったのでは、相手の外国人は時間のムダだ!となろう。「英語力をIMでカバー」というのは、一見説得力があるが、よくよく考えるとおよそ非現実的な想定と言える。

次の「電話機の周りのメモを減らす」は論外だろう。このためだけにIMを導入する企業はない。

「今ちょっといいですか?」についても、投資の正当化にならないのはもちろんだが、社員どうしなら断りもなくいきなり電話をかけるのは、日本企業では普通に行われていることだ。この記事の筆者は、電話をいきなりかけて相手を邪魔するのを好まないのが「日本のDNA」だと言い張っているが、以前の記事にも書いたとおり、この記事の筆者はアンケート調査結果の分析を間違えている。いきなりの電話を嫌がるのはむしろ、個人主義的な仕事のスタイルが定着している欧米である。

「ナイショ話が得意?」として、会議中の内緒話ができるとあるが、これも極めて限定された場面で、こんな目的のためだけにIMの導入投資を正当化はできない。

「すみませんが、少し遅れます。先に始めてください」では、携帯電話やPDAのIMクライアントの利便性を説いているが、社内LANで閉じたIMシステムに比べると、さらに投資が必要になる。外出先からIMのプレゼンスを気にして在席中の社員に連絡をとる日本人会社員などいるだろうか?いきなり電話をかけるのが当然だろう。

以上、これらの記事はすでにIMを導入している企業にとって、「そういう使い方もあるのか」という発見にはなるが、IM未導入の企業がIM導入投資を正当化するのにはまったく役に立たない。

そして、さすが筆者がマイクロソフト社員だけあって、日本企業の日本的な仕事のスタイルをまったく理解していない。こういう人たちが最前線に立ってマーケティング活動をしているから、企業にIMが普及しないのだ。

仮に普及するとしても、プライベートでSkypeやYahoo!メッセンジャーなどのIMが、もっと幅広い年齢層に普及してからだろう。ちょうど携帯電話のiモードが企業システムに取り込まれるのに、それだけの時間がかかったように。

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2008/01/11

年末年始のBlackBerry関連記事拾い読み

世界中で北米だけで大ブレイク中のブラックベリー(BlackBerry)というスマートフォン(高機能携帯電話)が、日本では絶対に普及しないということは以前から何度も書いている通りだが、年末年始に興味深い記事と、相変わらず見当違いな記事があった。

まずは見当違いな記事の方から。

「スマートフォンBlackBerryの企業導入が拡大」

この記事によればシステムインテグレーターの構造計画研究所によれば、「最近では1社で500台以上の端末を導入するケースも相次いで登場した」のだそうだが、これが事実なら実名を公表すべきだろう。それに、数十~数百万単位の国内スマートフォン市場でたった500台が数社に販売されたことが、何か市場にインパクトでも与えるというのだろうか。この記事は根拠薄弱な希望的観測に過ぎず殆ど無意味だ。

「ライバルはスマートフォンではない!? BlackBerryの魅力を直撃」

昨2007年末に開催されたSalesforceのカンファレンスの報告記事だが、三段落目の「欧米と日本の温度差」という小見出しがリサーチ・イン・モーション・ジャパン社員とこの記事を書いた記者の認識不足を如実に示している。先日もここでご紹介したように、BlackBerryは欧州を含む北米以外の地域では殆ど売れていない。カナダと米国のスマートフォン市場だけが、世界中で非常に特殊な状況を示している。つまりこの小見出しの「欧米と」という部分は端的に間違いで、「北米と」と修正すべきだ。RBB TODAYは事実と異なる記事を早急に訂正すべきである。

以上のようにブラックベリー(BlackBerry)については相変わらず根拠が無かったり事実を異なったりする記事が、著名なIT系ニュースサイトで平気で垂れ流しにされている。もう少し公正な評価がされれば、まだBlackBerryにも国内普及のチャンスはあるのに、この種の純然たる大衆扇動がまかり通っている限り、見識ある日本企業の経営者はBlackBerryを選択しないだろう。

次に興味深い記事の方を紹介する。

「ユニバーサルミュージック メールや予定を携帯に自動配信,情報“時差”短くし業務効率アップ」

こちらはBlackBerry同等のサービスがより安く米ビスト(Visto)社から提供されており、日本のユニバーサルミュージックの導入事例紹介だ。最初にご紹介した記事とは違ってちゃんと実名入りである。

この記事によればソフトバンクのWindows Mobile端末を使って、パケット定額制でBlackBerryと同等のサービスを利用できるようになったとのこと。ちなみにNTTドコモのBlackBerryサービスはパケット定額制対象外で、月額通信料金は青天井である。

Visto Mobileの詳細はこちらのページを参照のこと。BlackBerryと異なり、こちらはシンビアン、Windows Mobileなど複数のスマートフォンOSで使えるので対応機種が多い。しかも原理はBlackBerryと同じなのでセキュリティレベルも変わらない。

こういうサービスが既にあるのだから、日本国内でBlackBerryを選択するのは殆どナンセンスと言えるだろう。

「2008年のIT業界注目トピック ベスト10 グリーンIT、仮想化、国際的ハッカーの暗躍…IDG News Serviceが大予想」

こちらは米国IDG News Service発の記事だが、次の一文がなんと言っても興味深い。「ちなみにIDG News Serviceは、Microsoftが『BlackBerry』を提供するカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)を買収するだろうと踏んでいる」。

ただ米Vistoのような類似サービスが既に登場していることからして、BlackBerryの技術的優位性はない。マイクロソフトが本当にリサーチ・イン・モーション社を買収するとすれば、BlackBerryのサービスをWindows Mobileでも稼動するように変更して端末側も囲い込む意図がある場合だけだろう。

いずれにせよマイクロソフトの資金力をもってすれば、リサーチ・イン・モーションの買収など容易だろう。

3年後には「BlackBerryなんていうスマートフォンが北米限定でよく売れていたねぇ」という昔話になっていることはほぼ間違いない。

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2008/01/08

日本にアイフォンは必要ない

日経ビジネスオンラインが米『BusinessWeek』誌の「日本にアイフォンは必要か?」という記事を翻訳転載していた。アイフォンというのは例のApple社のiPhoneのことだ。

「日本にアイフォンは必要か?~ケータイ先進国の消費者はそっぽを向くかも」(BusinessWeek)

要約すると、アップル経営陣は日本でiPodが爆発的に売れたのだからiPhoneも売れるはずだと楽観的だが、日本の消費者はすでに高機能な携帯電話機に慣れており、たとえ3G対応のiPhoneが発売されたとしても価格性能比の悪さのため、日本市場では売れないだろう、という内容だ。

アップル社はiPhoneの日本投入に向けNTTドコモと交渉を進めているが、両者の利害が一致しないため、これも難航するだろうとしている。

BusinessWeek誌がiPhoneの日本市場進出についてここまで懐疑的な見方をしているのだとすれば、BlackBerryについてもまったく同じことが言えるだろう。

BlackBerryの方は既にNTTドコモと提携を済ませ、昨年末、BlackBerry端末だけにかかる月額利用料を引き下げするなどテコ入れをはかっているが、それでもブラックベリー端末が国内の法人向け携帯電話市場で目だって話題になることはない。

先日もお伝えしたように、世界中のスマートフォン市場を見たとき、北米市場というのはきわめて特殊な市場なのだ。iPhoneやBlackBerryが北米で成功したからといって、日本でも成功するというのは、まったく根拠のない流言飛語のたぐいである。

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2008/01/02

ICタグによる書籍管理という発想の「後進性」

2008/01/01の日本経済新聞朝刊に、講談社など出版や書店、ICタグで書籍管理・09年度からという記事があった。

「年間400億円以上と、国内書籍売り上げの約2%に達するとされる書籍の万引き被害を防ぐとともに店頭でのマーケティングにも活用、低迷する出版市場のテコ入れにつなげる」とのことだ。

問題はこれが出版市場のテコ入れになるのかということだ。

万引き防止ということは、レジで支払いをする時、書籍のICタグに「支払い済み」のデータを書き込み、書店の出入口のゲートで「支払い済み」データのない書籍を持ち出そうとすると警報が鳴る、という仕組みだと思われる。

ただ、ICタグの内部構造や「支払い済み」データを書き込む機器の機密が、内部関係者やICタグ技術に通じたアマチュアが「支払い済み」データを消去する手段をインターネットで公開するのは時間の問題だ。

したがって「ICタグで管理すれば万引きを防止できる」という発想が、きわめて甘い危機管理意識の上に成り立っている。インターネットのような情報伝達手段によって、情報の流通環境そのものが変質しているのに、「ICタグで万引き防止」を考えた人たちにはその認識がまったくないようだ。
この情報流通環境の変質に対する認識がないからこそ、出版業界は低迷している。にもかかわらず「日本出版インフラセンター」という、今回のICタグのしくみを共同研究した出版業界団体は、相変わらず書籍というモノをICタグのような物理的手段で保護することで、市場のテコ入れをしようとしている。

この「ICタグで書籍管理」というのは、一見、先進的なしくみのようだけれど、実際には旧態依然とした物理的なモノとしての書籍という発想から、業界団体が抜け出せていない証拠になっている。全く皮肉なことだ。

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2008/01/01

ソフトバンク携帯のPCサイトブラウザの致命的な欠陥?

ソフトバンク携帯のPCサイトブラウザにはauと比較して決定的な欠点がある。それは自分が携帯電話であることを送信してしまうことだ。

ソフトバンクの最新機種にはACCESSという会社が開発したNetFrontというWebブラウザがあり、携帯専用ではない一般のWebサイトが閲覧できる「はず」である。

ところが、ソフトバンクのNetFrontは、おせっかいにも自分がソフトバンクの携帯電話だという情報を送信してしまうので、閲覧できないWebサイトがあるのだ。

技術的な詳細はソフトバンクのこちらのページをご覧いただきたい(HTTP_USER_AGENTに関する資料)。

一方、auの携帯電話に搭載されているOperaブラウザは自分がInternet Explorerだという情報を送信するので、パソコンで閲覧できるWebサイトは電話機の記憶容量を超えない限り閲覧できる。

携帯電話にはもともと携帯電話独自のWebブラウザと、「フルブラウザ」と呼ばれるパソコンと同等のWebブラウザの2種類がある。

その「フルブラウザ」が「自分は携帯電話ですよ」という情報を送信してどうするのか。Yahoo!ケータイやEZウェブ、iモードなど、携帯電話独自のブラウザとは別に「フルブラウザ」を搭載する意味がまったくないではないか。

はっきり言ってこの点に関する限り、ソフトバンクはまったくトンチンカンなことをやっている。

ちなみにソフトバンク携帯でInternet Explorerのフリをしようとすると、有償のjigブラウザというソフトウェアをダウンロードして、UserAgentの設定をInternet Explorerに変更するしかない。

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2007/12/28

BlackBerryが世界で普及しない理由

以前、日本では絶対にBlackBerryが普及しないという記事を書いたが、そもそもBlackBerryが普及するかどうかという問い自体が無意味だったようだ。非常に特殊な北米市場を除くと、世界でスマートフォンと言えばSymbianなのだ。

確かにBlackBerry加入者数の増加は著しい。ブラックベリー社の2004/12/21発表によれば、当時BlackBerry加入者は204万4000人で、初めて200万人の大台に乗り、直前の四半期比で38万7,000人増とのこと。

RIM、新製品とBlackBerry加入者の伸びで増収増益

さらに2006/10同社発表によれば、直前の四半期に加入者が70万5,000人増加し、約700万人に達するとある。

RIMのBlackBerry加入者が620万人に──加入者数増もIDCは今後の苦戦を予測

そして2007/04同社発表によれば、直前四半期の加入者が102万人増加し、そう加入者数が800万人に達したとある。

携帯端末「ブラックベリー」の加入者,800万人に

そして2007/12同社発表によれば、直前の四半期に新規加入者が165万人に達し、累計加入者数が約1,200万人になったとある。

RIM増収増益、ホリデーシーズンの出足も好調

一方、BlackBerryのライバルであるSymbian OS搭載のスマートフォンは世界で73%のシェアを誇る。2006年第3四半期の出荷台数は1,300万台で、BlackBerryに対して1ケタの大差をつけている。

そして下記の記事にある、少し見づらいが世界各地域別スマートフォンOSシェアのグラフをご覧頂きたい。

「競合はWindows Mobileではなく独自OS」、シンビアン社長

このグラフを見ると、世界を欧州・中東・アフリカ、日本、中国、北米、その他の4地域に分けたとき、Symbian OSのシェアはそれぞれ9割以上、6割、6割、1割以下、9割以上と、北米だけが非常に特殊な市場であることが明白だ。

北米のスマートフォンOSのトップシェアはBlackBerryの約40%、マイクロソフトの約30%、Palm OSの約20%、残りがSymbian OSとなっており、他の地域と比べて異彩を放っている。

このように日本でBlackBerryが普及するかどうかという問い自体が、完全に無意味である。

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2007/12/26

Window Media Playerよりはるかにいい無償の動画再生ソフト

『地下鉄の恋』の中国語字幕を翻訳して、中国語の勉強をするのに、Windowsメディアプレーヤーよりもっと使い勝手のいい動画再生ソフトがないものかと探していたら、韓国産のGOMプレーヤーなるものを見つけた。

このGOM playerは、無償であるにもかかわらず、スペースキーで再生・停止の切り替えができたり、[X]キーで減速、[C]キーで加速ができたり、左右の矢印キーで10秒前または10秒後、Ctrlキーと左右の矢印キーで60秒前と60秒後、Shiftキーと左右の矢印キーで5分前と5分後など、キーボード操作だけでありとあらゆる再生設定ができ、非常に便利だ。

しかもMPEGの他に、AVIやDVDのVOBファイル、Real Player用の動画ファイルもそのまま再生できる。もっと早くインターネットで調べて入手していればよかった。

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2007/12/20

奇怪な記事「IMの普及を妨げる日本人のDNA?」

2007/12/20付け日経ITPro「IMの普及を妨げる日本人のDNA?」という記事が、いかにもマイクロソフトらしい的外れな記事だったので、詳細に反論してみたい。

この記事はインスタント・メッセージ(以下IM)が、欧米企業に比べて日本企業でなぜ普及しないのか、マイクロソフトの越川氏が分析しているが、その分析がかなり的外れなのだ。

記事いわく「マイクロソフトでは科学的なアプローチで日本人の特性を調べてみた」。その結果「特筆すべき日本人の特性(=他人種との差異)は以下のものである」。

「(1)相手の気持ちを気にする繊細さがある
(2)本質を率直に表現しない
(3)ノンバーバル・コミュニケーション(非言語対話)が少ない
(4)時間・場所・状況をわきまえてコミュニケーションを行う
(5)人間関係(社会的立場、上下関係、親密度)によって切り分ける
(6)邪魔されたくないという意識が高い」

この特性分析はおそらく正しい。しかしここから引き出された分析が的外れなのだ。

越川氏はこの日本人の特性から「日本で携帯電話が普及している理由が分かるような気がする」としながら、「IMは『相手を邪魔したくない』『邪魔されたくない』というDNAを持つ日本人には、好ましくないツールであるように思われる」と分析している。

しかし、別に日本人は「邪魔したくない」「されたくない」からIMを使わないわけではまったくない。この点は後ほど述べる。

越川氏はここから突然議論を飛躍させ、別のIMに関するアンケート調査結果を持ち出し、「今後の導入検討は25%と予想以上に高かった」とし、日本人会社員の思う「IMの課題点」を列挙した後、「セキュリティの高さを備え、直感的操作で利用でき、企業のガバナンスが及ぶIMであれば受け入れられる、ということが分かる」と分析している。

さらに、若い世代に着目し、日本国内のMSNメッセンジャーのアクティブユーザーが477万人を超えていることを持ち出し、「携帯電話、PC、インターネットなどのデジタル通信が急成長した時代に育ったこのジェネレーションは、電話の音声通話や、FAXよりもIMの方が快適であると感じるのではないだろうか」と結論づけている。

正直言って、無茶な分析である。

まず、日本人の特性の(4)と(5)に注目すれば、越川氏のような結論は引き出せない。(4)と(5)によれば、日本人は上下関係のある公的な場での意思疎通と、上下関係のない友達との私的な意思疎通を、きっちりわけて考える人種だと分析できる。

日本企業でIMが普及しないのは、まさにこの点に原因がある。つまりIMは、企業内のコミュニケーションツールとしては、あまりにカジュアルすぎるのだ。

しかし日本企業にカジュアルなコミュニケーションがないわけではない。そこで日本人の特性(3)が意味をもってくる。

日本人は企業内でカジュアルなコミュニケーションをするとき、ほとんどの場合、バーバルな(=口頭の)コミュニケーションを選択する。つまり、廊下や喫煙室、昼食時、飲み会などでのリラックスした会話だ。

したがって、正しい分析は以下のとおりになる。

日本人は(4)や(5)の特性から、社内でも公式/非公式のコミュニケーションをはっきり分ける傾向があり、さらに(3)の特性から、とくに非公式なコミュニケーションについては、直接会って話すというバーバルな方法を選ぶ。だから日本人は、そもそも会社生活でIMを必要とする場面がほとんどない。

もっと言えば、日本人の「ヤング・ジェネレーション」(越川氏が使っているこの言葉も殆ど死語だと思うが)は、越川氏が思う以上に保守的である。つまり、会社生活と私生活を、非常にはっきり区別する傾向がある。

日本人の若年層が、私生活でIMや携帯電話のメールを駆使していることには間違いない。しかしそれは飽くまで私生活に限った話であって、企業に入社してしまえば、日本人の若者は、驚くほど会社員的な生活様式に順応してしまうものだ。

仮に日本人の若者が会社でIMを使うとしても、それは就業時間中にこっそり私的な友人と連絡をとるためであって、決して業務のためではない。この点でも越川氏は日本人の傾向を見誤っている。

まして、越川氏の言う「若年者の方がタイピングに慣れているので、その点もハードルが低い」というのも、2007年の今日ではかなり的外れな分析だ。

10年前ならまだしも、これだけ企業にパソコンが一人一台の割合で普及して、「若年者」でない日本人会社員でいまだにキーボードアレルギーのある人がいったいどれだけいるというのか。

最後に、マイクロソフトがIM導入についてアンケート調査をしたとき、なぜ「今後の導入検討は25%と予想以上に高かった」のかを考えてみる。これは単に調査結果の見方の問題だ。

この調査では「導入の予定はない」が49.1%になっており、「わからない」もあわせると、実に回答者の7割弱がIMに無関心ということになる。

このような数字は、IMに限らず、社内SNS、社内ブログ、無線LAN携帯など、新しいIT系の技術について日本人会社員にアンケートをとると、だいたい共通して出てくる割合だと言える。

つまり、日本人会社員の3割弱は、何であれこの手の新しい技術に興味をもっており、その他の7割はITそのものにあまり関心がない。

さらに言えば、マイクロソフトの調査に対して「今後導入を検討したい」と回答した17.9%の会社員のうち、いったい何人が社内でIMを導入する権限や職務を持っているだろうか。

以上、非常に奇怪な記事だったので、詳細に反論させて頂いた。

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2007/12/19

Windowsベースの独自開発IP-PBX「スカイ IP-PBX」

ベンチャー企業独自開発のIP-PBXで導入実績の豊富な製品を見つけた。1997年設立のスカイウェイブ株式会社の「SkyIP-PBX」だ

ソフトバンクテレコム(旧日本テレコム)の画期的なフリーアドレスオフィス用のIP-PBXは、このスカイウェイブ社の「スカイIP-PBX」だったらしい。他にも三菱電機インフォメーションテクノロジー社の支店や、青汁で有名なキューサイ、KDDIネットワーク&ソリューションズ、秋田県横手市、山梨県甲斐市など地方自治体の導入事例もある。

接続内線端末数はハードウェアの性能によって無制限で、日本ストラタス社の冗長化サーバを利用したソリューションもある。ドコモの無線LAN携帯電話にも対応、日本の企業文化に対応したサクサのIP電話端末にも対応している。

事業パートナーとして、NECネッツエスアイ、日立コミュニケーションテクノロジー、NTTME、KDDIネットワーク&ソリューションズ、富士通ネットワークソリューションズなど、大手ベンダー系、大手キャリア系が名を連ねており、導入時のプロジェクト管理や、導入後の保守も一定の品質を期待できそうな印象がある。

国内企業が独自開発したIP-PBXの中では、かなり筋がよさそうな製品だ。

ただ、Googleで同製品を検索すると、2007年に入ってからは新しい動きはそれほどなく、この手の独自開発のIP電話交換機ソフトウェアの導入が、一段落して踊り場を迎えていることがよく分かる。

各企業の中小の拠点では、拠点間をIP化しさえすれば一定の通話コスト削減効果が出るので、わざわざ拠点内までIP化する必要はない、という判断の中堅・中小企業が多いということではないかと想像する。

しかしこの手のIP電話交換機ソフト、導入後正しく稼動しているのか、ベンダー自身の導入事例を除いて、客観的な評価を書いたサイトが見つからないのがやや気になる。

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日本にSIPベンチャーが出てこない理由

小池良次という人が「米国情報通信ブログ」と称して、IT総合情報ポータルの「ITmedia」に「SIPベンチャー、Ribbit~最初のシリコンバレー電話会社?~」という個人ブログの記事を転載している。

記事の最後に、「日本ではこの手のSIPベンチャーが出てきませんね?米国に比べて遙かに電話料金が高いわけだから、ビジネスになるような気がするのですが。どなたか理由をご存じなら、教えてください。」と書いてあるので、頼まれもしないが勝手に答えておく。

日本企業の電話文化には「グループとして電話をとる」文化があり、1対1で話す機能しかない電話サービスでは使い物にならないからだ。

日本企業で働いたことがある人にとっては当たり前だと思うのだが、やはり米国西海岸的文化に毒されてしまった日本人には、すぐには思い当たらないらしい。

上述の記事には「米国ではすでにSIPベンチャーが出てきているのに、日本にはなぜまだ出てこないのだ」という具合に、「米国より日本は遅れている」という含みが読み取れる。

具体的に指摘すると、「音声サービスは、高度な設備と巨大なネットワークを使う電話時代がおわろうとしている」という一文だ。つまり、日本の電話はまだ旧時代の電話設備にしがみついていて、米国はそこから早くも脱出しようとしている、という意味だ。

これはどう読んでも、日本より米国の電話の方が進んでいるという意味に読める。

しかし実際には、米国の電話文化と日本の電話文化は単に「違う」だけであって、どちらが進んでいるということはない。「SIPベンチャー」がまだ出てこないからといって、それをすぐに不思議がる必要もまったくない。

梅田望夫氏も含め、こういう風に米国発で日本の後進性を指摘する人たちには、困ったものである。

日本と米国の間にあるのは「違い」だけであって、別にどちらが「進んでいるか」ということではないのだが、こういう人たちは米国から情報を発信することで、日本よりも進んだ情報をいち早く日本に伝えることができると、誤って思い込んでいるのである。

日本人はいつになったら、こういった「名誉白人」的な感覚から逃れられるのだろうか。この種の米国偏重から逃れない限り、日本はアジア外交において、いつまでたっても主導的な立場をとれないのだが。

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2007/12/13

Windows対応の格安IP電話交換機ソフトウェア「brekeke」

どうやらBrekekeの新バージョン2.1が発売されるようだ。先日触れたIP電話交換機(IPPBX)のAsterisk(アスタリスク)は、無償でオープンソースだがLinux上でしか動かないが、Brekeke(ブレケケ)は有償であるものの、100%Javaで開発されているのでWindows上でも動く。しかもWindows利用者にとってありがたいことに、.NET Frameworkでカスタマイズができるらしい。

日本国内でBrekekeを扱っているのは、株式会社ソフトエイジェンシー株式会社瑞風があるようだ。

Brekekeは有償といっても最大同時通話数20通話で約12万円と(SIPサーバー込みの価格)、大手メーカーのIPPBXに比べればはるかに安価であることに違いない。また、日本企業の電話文化に対応したサクサのIP電話端末にも対応している。

趣味的にIP電話交換機の独自開発に手を出そうと思えば、魅力的な選択肢はいくつかあるということのようだ。

Brekekeの日本語ドキュメントは開発元の米Brekeke Softwareの日本語サイトで読める。

Brekeke PBXの日本語ドキュメントはこちら
Brekeke SIP Serverの日本語ドキュメントはこちら
.NETを利用した機能拡張ツールであるBrekeke PALの英語ドキュメントはこちら。残念ながらBrekeke PALの日本語ドキュメントはないようだ。

ブレケケの日本語サポート・フォーラムはこちら

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2007/12/11

オープンソースのAsteriskを元にしたIP電話交換機5製品

企業用IP電話の話題。インターネット技術を利用した企業用の社内電話交換機(IPPBX)だが、その後ネットで調べてみると、中身が公開されているオープンソースの「アスタリスク(Asterisk)」というソフトウェアをもとにして、日本国内で開発・販売されているものが意外に多いことがわかった。

Asteriskについては日経ITProのこちらの連載記事をご参考いただきたい。

まずは、NTTデータの「Astima」

前回もご紹介したが2007/04に発売されたNTTのひかり電話専用の小型製品。元はNTTデータの子会社であるNTTデータ先端技術が開発したもの。大手メーカーの従来型の構内電話交換機(PBX)と比べ、内線電話の構築費用は4分の1程度になるという。内線端末250台、同時通話数30チャンネルという制限はあるが、NTTグループの製品なので安心して使えそうだ。

次に同じNTTグループのNTTソフトウェア「ProgOffice」

こちらは無線LAN対応携帯電話でも安定した内線通話ができることが売り。元はNTT研究所が開発したもの。携帯電話だけでなく、固定のIP電話も接続でき、最大500端末まで接続可能。やはりNTTグループ製品なので無線LAN対応携帯電話による内線を実現したい企業にとっては、魅力的な選択肢になりそうだ。

次にターボリナックス社の「InfiniTalk」

ターボリナックス社は「ターボリナックス」という独自のLinux配布版を発売しているので、Linux系の技術力は信頼できそう。そのターボリナックス上でAsteriskを機能拡張したのが「Infini Talk」だ。ソニー損保に導入実績がある点に説得力がある。

次にモバイルテクニカ社の「xCube」シリーズ

上位機種のvCube/mCubeでは他拠点構成なども実現できるようだ。こちらはユカマテリアルという水道設備メーカーに導入実績があり、やはり説得力がある。モバイルテクニカ自体は2004年設立の新しいベンチャー企業だ。

最後に前回もご紹介した「BIZTEL PRO」という製品

ベンチャー企業のハーモナイズシステム株式会社(旧エムトゥエックス)とホスティングサービスの株式会社リンクの共同開発による製品。首都圏中古車販売のアビックスコーポレーションに小規模な導入事例があるようだ

以上、NTTグループの2社を除くとベンチャー系なので、業務の生命線である電話設備を本当に任せて大丈夫か不安に思う総務担当者も多いだろうが、部分導入から始めて、徐々に通話費用の削減効果を出す考え方もあるだろう。

電話設備で冒険したい企業は少ないだろうから、オープンソースの「Asterisk」を機能拡張したこれらの製品の潜在的な市場規模は非常に限られることは間違いない。そんな市場に既に5社も進出しており、そのうち2社がNTTグループなので、すでに過当競争になっているとも言える。

仮にNTTグループが1,000端末規模でも安定稼動する「Asterisk」ベースの交換機(IPPBX)を開発すれば、独占状態になりそうな気もする。どうでもいいと言えばどうでもいい、非常にニッチな市場だが、まあこういう世界もあるということだ。

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2007/11/20

NTTグループもAsteriskベースのお手軽IP電話交換機を発売していた!

他にもAsteriskをベースにしたIP電話交換機があった。NTTデータがハードウェアといっしょに発売している「astima」だ。

NTTデータの製品紹介ページはこちら。
astimaの開発責任者インタビューはこちら。
日経BP社「ITPro」掲載のastimaの評価記事はこちら。

さすがNTTグループの発売だけあって、無線LAN機能つき携帯電話への対応や、コールセンターシステムへの発展性など、機能が非常に充実している。また、NTT製のIP電話機にしか対応していないのかと思いきや、逆にサクサ株式会社のIP NetPhone SXのみに対応と、なかなか渋いメーカーの電話機を狙っている。

Webブラウザによる設定画面が分かりやすそうな点も評価できる。専用のソフトフォン(Skypeのようなもので、パソコンを電話機として使うためのソフトウェア)もデザインがすっきりしていて使いやすそうだ。

IP電話交換機はなかなかFAXには対応しづらいそうだが、このastimaは何とFAXサーバ機能も持っており、G3カラーFAXの送受信までできるのがすごい。

ただし、接続可能なIP電話機の数が250台に限られており、故障時に予備機に自動的に切り替わるなどの機能はないようだ。本体はハードディスクがなく、フラッシュメモリカードに設定情報を保存する仕組みになっているので、そもそも故障が少ないということもあるだろう。

もちろんIP電話機は別途購入する必要があるが、本体価格はハードウェア込みで60万円程度と信じられないくらいお手軽。端末数が250台を超えない中堅・中小企業にとっては、非常に魅力的な製品である。

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2007/11/18

もはや普通になったIP電話交換機

電話の話ばかりで申し訳ないが、内線番号のある会社にはビルの中に電話交換機がある。ところがこの構内電話交換機、それほど安いものではない。低機能なものでも100万円は下らない。

電話交換機には大きく分けて、昔ながらの電話交換機と、インターネットの原理を応用した電話交換機(IP電話交換機と呼ぶ)の二種類がある。一般的にIP電話交換機の方が割安なので、企業が古くなった構内交換機を買い換える場合、IP電話交換機にすることが多いようだ。

しかしIP電話交換機であっても大手メーカーが独自開発した製品は、安心感や信頼性とひきかえに値段もそこそこする。

そんな構内電話交換機の世界に「価格革命」をもたらそうとしているのが、Asteriskという無償のIP電話交換機「ソフトウェア」だ。Asteriskは普通のパソコンで動き、独自に機能を追加することもできる。極端な話、パソコン代だけで社内の電話を構築できてしまう。

しかし、Asteriskをパソコンにインストールして、自分の会社に合うように設定するのは専門的な知識が必要になる。そこで、Asteriskを素人にも使いやすくした製品やサービスが日本国内でも出てきている。

たとえばBIZTEL PROという製品だ。(@ITに掲載の紹介記事はこちら

内線番号数を3,000件設定できる最上位製品「BIZTEL PROマスター」でも価格は100万円、年間保守料金が25万円。おそらく同規模の内線電話を旧式の構内電話交換機で実現すれば、ケタが一つ違う金額になるのではないか。

BIZTELが特徴的なのは、IP電話交換機を月額いくらのサービス(ASPサービスという)としても提供している点だろう。つまり、設備投資をしなくても、IP電話交換機を間借りして、すぐにIP電話交換機の機能を使い始められるのだ。間借りするサービスの詳細はこちらのページにある

自社向けにいろいろ機能を追加したい場合は、買取版のBIZTEL PROを選べばいいし、標準機能でいいから手軽に使いたい場合は、間借りサービス版のBIZTELを選べば良い。これからIP電話を使おうという企業にとっては、何とも使い勝手の良い製品である。

欧米ではAmazon.comが同様の安価なソフトウェアによる構内電話交換を実現しているようだ

Amazon.comが採用したのはピングテル社の「SIPxchange」という製品だが、故障時に自動的に予備機に切り替わる機能(高可用性機能という)をもった最上位の製品でも、たった2,720ドル。BIZTEL PROは高可用性機能が別売なっているので、BIZTEL PROよりも数段安くなっている。

ただし、BIZTELやSIPxchangeなど、安価なIP電話交換ソフトウェアの唯一の問題点は、使える電話機が限られるということだ。

日本的なビジネス電話の機能を忠実に再現したいなら、高額でも大手メーカーのIP電話交換機を導入すべきだろう。大手メーカーは、自社製のIP電話交換機専用に、日本的な企業文化に合った高機能なビジネス電話機を発売しているからだ。

いずれにせよIP電話交換機は、すでに常識になっていると言っていい。

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2007/11/17

ふつうの人にとって便利な電話とは?

今日は少しヘンなことを書く。皆さんは自宅の電話番号を、電話機の番号だと感じたことがあるだろうか。携帯電話の電話番号を、電話機そのものの番号だという感覚を持ったことがあるだろうか。

妙な質問なので、きっと戸惑われるだろう。皆さんの自宅にはおそらく固定電話があって、自宅の電話番号をかければその電話が鳴る。それは当然だが、その自宅の番号のことを、「電話機自体が持っている番号だ」とお考えになったことは、おそらくないと思う。

というのは、その電話機を持ったまま引っ越したとする。一部のIP電話など特殊な契約でない限り、引越し先では電話番号が変わる。同じ電話機が、今度は新しい電話番号にかけると鳴るようになる。

何を当たり前のことを書いているんだと言わず、もう少し読んで頂きたい。

では携帯電話はどうか。ご承知のように、携帯電話を新しい機種に買い換えるとき、新規契約しなおして番号が変わるパターンと、電話機だけを買い換えて番号は変えないパターン(いわゆる機種変更)のどちらかを選べる。

番号ポータビリティ制度が始まってからは、別の携帯電話会社に乗り換え、電話機を買い換えても、番号をそのままにすることができるようになった。

なので、携帯電話の番号のことを、「携帯電話機そのものが持っている番号だ」とお考えになったことは、あまりないと思う。番号を変えずに、電話機だけを新品に買い換えることができるからだ。

つまり、普通の人たちは「電話機そのものが電話番号を持っている」という発想をしないものである。電話番号は電話機と無関係であって、むしろ「自分の家」の電話番号であり、「自分の」携帯番号だ、という感覚の方が正常だろう。

会社で使う電話も同じことだ。自分の机にある固定電話そのものが、特定の番号を持っているなどという発想をする人は普通いない。

たしかに会社の電話は家庭の電話にない高度な機能がある。たとえば部署の電話番号というのがあって、その番号に社内や社外からかけると、同じ部署にある電話機がいっせいに鳴る。

また、会社によっては個人別にダイヤルイン番号が与えられていて、社外から直接あなたの机にある電話だけを鳴らすことができる。

いずれにせよ、あなたの机の上にある一台の電話が、部署番号にかけても鳴るし、個人のダイヤルインにかけても鳴る。ここでも「電話機そのものが特定の電話番号を持っている」という発想はしづらい。

僕らは漠然と「自宅の電話番号」「自分の携帯番号」「自部署の代表番号」などと思いながら電話を使っているだけであり、いちいち「電話機そのものが持っている番号」のことなど気にせずに使えるからこそ、電話は便利な道具なのだ。

僕は個人的に、究極の電話の世界は、全員が携帯電話しか持たないような世界だと思っている。そうなれば「自分の携帯番号」だけ覚えていればよくて、電話をかける側から見ても、一人につき一つの番号さえ覚えればいい。

会社でも同じことだ。全社員が携帯電話だけ持つようになれば、電話はとってもシンプルになる。社内からも社外からも、ある人に電話をかけたければ、その人の携帯番号さえ知っていればいい。

社内からかけるから内線番号で、社外の人はダイヤルインの外線番号で、などといった区別もなくなり、かける側が社内の人であろうが、社外の人であろうが、とにかくその人の携帯番号さえ覚えていればいい。

こういう電話世界がいちばんシンプルで、万人にとって便利だと思うのだが...。

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2007/11/13

究極の社用電話は「ロケーション・フリー」

最近、企業における電話について考えることが多い。

会社で使う電話で、いちばん大事なのは相手がつかまることだ。この意味で、究極の電話とはいったい何だろうか。相手がどこにいても連絡がつく究極の電話とは?

当たり前のことだが、携帯電話がそうだ。

携帯電話は、電話機がどこにあっても基地局がその位置を自動で特定し、位置情報を携帯電話会社の交換機か何かに伝え、どこからかかってきても確実に電話機を鳴らす。

その意味で、携帯電話はどこにあっても自動的に位置を特定する究極の電話だ。

重要なのは「自動的に」という点だ。携帯電話を使っている人が、いちいち自分は東京都渋谷区にいますとか、ニューヨークにいますとか、現在位置を設定する作業をしなくても、携帯電話が自動的に位置情報を送り出してくれる。

そんなこと当り前じゃないかと思われるかもしれないが、この重要性に気づいている人は意外に少ない。

したがって会社の電話としては、究極的には全社員が携帯電話を持つのが理想的だ。

もちろん社外からの電話を受けたり、高度な保留・転送機能を使うには固定電話も必要だが、ふつうの会社では、今後は固定電話は脇役、携帯電話が主役になるだろう。(コールセンターなど大量の固定電話が必要な場合を除く)

最近では、携帯電話が社内にいるときは自動的に無線LAN対応のIP電話に切り替わる仕組みもある。社内にいるときはIP電話としてかかるので通信費が無料になり、一歩社外に出ると自動で携帯電話になる、といった具合だ。

また、一つひとつの携帯電話に内線番号をつけ、社内からその内線番号にかけた場合、その携帯電話が社内にあればIP電話として、社外にあれば自動で携帯番号に転送されるという、とても便利な機能をもった電話交換機も発売されている。

この機能があると、社内から特定の社員に電話をかける人は、その社員専用の内線番号さえ覚えておけばいいことになる。内線番号と携帯番号の2つを覚える必要がなく、内線番号だけ覚えておけばいい。

電話の究極の姿は、このような居場所に依存しない「ロケーション・フリー」である。一人の社員が、複数の電話機(固定電話と携帯電話)、複数の番号(内線電話と携帯番号)を使わなければいけない時代は、もう終わりつつある。

別の考え方として、「デバイス独立」といって、一人の社員が複数の電話機を使うが、電話番号は一つに統一する仕組みもある。しかしこの場合、社員は今自分がどの電話機を使っているか、自分でいちいち交換機に登録する必要があり、「ロケーション・フリー」に比べると、二歩も三歩も遅れている。

会社の電話は、実はなかなか奥が深い。

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2007/11/11

ビデオニュース・ドットコムを携帯プレーヤーで聴く方法

ビデオニュース・ドットコムの音声をダウンロードして、携帯オーディオプレーヤーで通勤途中に聴けるようにする方法について、読者の方からご質問があったので説明したい。

まずベクターなどのダウンロードサイトから「GetASFStream」というフリーソフトを入手し、インストールする。

ビデオニュース・ドットコムに会員ログインし、任意の番組をいったん再生する。再生が始まったらWindows Media Playerのメニューの「ファイル(F)」→「プロパティ(P)」をクリックし、出てきた画面の「場所」に表示されている長ったらしいURLをコピーし、GetASFStreamのメニュー「ファイル(F)」→「URL貼り付け(C)」をクリックすると、自動的に新しいURLとして追加されるので、「追加」ボタンをクリックする。

そしてGetASFStreamのダウンロードボタン(赤い丸)をクリックすると、「このURL解析を行いますか?」というメッセージが表示されるので、「いいえ(N)」ボタンをクリックする。次の複数URL選択画面ではそのまあ「記録」ボタンをクリックする。

すると初期値では5倍速でストリーミング放送のダウンロードが始まる。もしこのとき、ユーザー認証ができない旨のエラーメッセージがGetASFStreamの画面上に表示されたら、何度か同じ操作を繰り返すと、そのうちエラーが出なくなる。

初期値では「C:\Program Files\GetASFStream\root\」内にダウンロードされる動画ファイルはWMV形式なので、ここからWAVE形式で音声ファイルを抽出する。それには「ぷっちでここ」というフリーソフトを、同じくベクターなどから入手してインストールする。

「ぷっちでここ」は起動して、抽出元のWMVファイルを選択し、「wavに変換」のラジオボタンを選択した状態で「開く」ボタンをクリックするだけ。とても簡単な操作だ。

なぜWAVE形式にするのかというと、10分や15分などの長さに分割して、携帯プレーヤーで聴くときに頭出しをしやすくするためだ。たとえば60分番組の音声をそのまま携帯プレーヤーに転送してしまうと、45分あたりから聴き直したいとき、早送りボタンを押し続けるのが面倒なのだ。

そこで「WAVEFLT2」というフリーソフトを利用する。Googleで検索すればすぐ見つかるので、これも入手し、解凍するだけで使える。

コマンドラインツールなので、ウィンドウズのバッチファイルを書く必要がある。バッチファイルを書けない方は別のツールで分割して頂きたい。

たとえば「waveflt2.exe -split 900 afgan02.wav "%%H%%N%%Safgan02.wav"」という1行だけのバッチファイルを作成して「~.bat」という名称で保存し、実行すると、afgan02.wavというWAVE形式のファイルが900秒ごと、つまり15分ごとに分割され、自動的に分割時の時刻(時分秒)で始まるファイル名がつく。

次に分割したファイルをMPEG3形式に変換する。これにはlame.exeというフリーソフトが必要だ。lame.exeはSourceForgeのこちらのサイトからダウンロードできる。

圧縮ファイルを解凍すると、lame.exeという実行形式のファイルがある。これもコマンドラインツールなのでWindowsのバッチファイルを書く必要がある。バッチファイルを書けない方は、別のツールでWAVE形式のファイルをMPEG3なり、WMA形式なりに変換して頂きたい。

なぜコマンドラインツールを使うのかといえば、分割後のファイルは複数あるので、一括処理したいからだ。例えば「for %%X in (*afgan02-00*.wav) do "C:\Program Files\lame-3.97\lame.exe" -f %%X %%~nX.mp3」という1行を先ほどのバッチファイルに追加すると、分割後の「~afgan02-00~.wav」という名前のファイルを全て順番にMPEG3形式に変換してくれる。

MPEG3形式への変換が終わったら、後は携帯プレーヤーに転送するだけ。ファイル名は分割時の時分秒で始まるので、携帯プレーヤーの自動並べ替え機能で、最初から順番に聴けばよくなっているはずだ。

以上が僕なりのビデオニュース・ドットコムを携帯プレーヤーで聴けるようにする方法である。

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2007/11/02

日本でBlackBerryの命運は尽きた

先日、BlackBerryは日本では絶対に売れないと書いたが、どうやらマイクロソフトのWindows Mobileの方がかなり形勢有利なようだ。先日、東京ビッグサイトの展示会「IPコミュニケーション&モバイル」を見て来て、そう考えた。

個人的にBlackBerryの唯一の利点と考えていたのが、メールサーバ側からBlackBerry端末に向かって、PUSH型でメールや予定表データの同期ができることなのだが、Exchange Server 2003 Service Pack 2以上なら、どうやらWindows Mobile 5に対してPUSH型の同期ができるようだ。

たしかにBlackBerryなら、メールサーバからインターネットに向かって、外向きに指定のTCP/IPポート番号の通信を許可すればよく、Exchange ServerとWindows Mobileの組み合わせのように、双方向のHTTPS通信を許可する必要がない。

ネットワーク的にはBlackBerryの方がインターネットからの脅威に対するセキュリティの確保が容易だ。

しかし、その分BlackBerryの通信は、世界のどこでBlackBerryを使おうと、必ずカナダにあるBlackBerryの発売元であるResearch In Motion社のサーバを経由するという、ネットワークトポロジー上の制限がある。

もちろんBlackBerryの通信量など知れているので、必ずカナダのサーバを経由することが性能の悪化につながるわけではない。ただ、インターネットに対して双方向のHTTPS通信を許可するのは、Webサーバの公開では普通に行われることで、セキュリティ上の短所とは言えない。

そうなると、Exchange ServerとWindows Mobileの親和性の方が、独自OSのBlackBerryと比較すると圧倒的に有利になってくる。認証にActive Directoryのユーザー名とパスワードが使えるし、Excel、Word、PowerPointも当然のことながらマイクロソフト「純正」のモバイル版Officeで閲覧できる。

日本では海外でも通話できる国際ローミング対応のWindows Mobile携帯電話が、NTTドコモ、ソフトバンクの両社から発売されており、BlackBerryのパケット通信料金が上限なしの「青天井」なのに対し、Windows Mobile携帯電話ならパケット定額制が適用される。

日本国内に限って言えば、今からBlackBerryが普及する可能性は皆無といっていい。

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2007/09/09

わずかな業務要件の違いが大きなITの差を産む

業務システムをどう構築するかというのは、思われているよりも繊細な問題である。

SEが頭をひねって、利用者部門に必要そうな機能をあらかじめ組み込んでおけば、利用者部門は何とかそのシステムを使ってくれる、という考え方は楽観的すぎる。

僕自身が経験した、とてもシンプルな事例を一つあげたい。Microsoft Exchangeの予定表機能を使うか使わないか、ということだ。

僕が在籍した正社員転職支援会社では、Microsoft Exchange Serverと連動したOutlookの予定表機能は使わず、わざわざ予定表管理に別のグループウェアソフトを使っていた。

一方、同じバージョンのExchange Serverを導入していた別の企業では、ふつうにExchange Serverと連動したOutlookの予定表機能を使っていた。

表面上の使い勝手だけみると、後者がどんな場合でも効率的のように思える。会議召集と予約登録がメールと完全に連動するからだ。

正社員転職支援会社で、わざわざ予定表に別のグループウェアを使った理由は、ただ一点、自分の予定と同時に、かならず会議室(面談ブース)を予約する必要があったからだ。

転職カウンセラーは、転職希望者との面談を自分の予定として入力すると同時に、かならず面談ブースをおさえなければならない。その会社にとって社内の会議室は、利益を生み出すための「生産設備」なのだ。

また受付嬢は一日の面談予定と面談ブースの予約状況を、つねに一覧しながら、来社された転職希望者に応対しなければならない。

そうした現場業務の効率性を考えると、別のグループウェアの設備予約機能を使うほうが、現場業務を最適化できる。もちろんその予約状況が基幹業務システムと連動すればベストだ。

会議室がもつちょとした意味的な違いだけで、グループウェアを2つ運用するか、1つで済むかという具合に、ITのかたちが大きく異なる。

当たり前のことだが、IT投資はあくまで業務要件で決まるものであって、その逆ではない。こと社内システムに関する限り、技術指向、シーズ指向のシステム企画は資金のムダであり、あくまで業務上のニーズが引き金にならなければならない。

当たり前のことなのだが、技術偏重のSEにとってはつねに「つまずきの石」になる論点でもある。

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2007/09/08

BlackBerryが日本で絶対に売れない理由

NTTドコモが米国で人気のスマートフォン「BlackBerry8707h」日本語対応版を2007/07/23から日本国内で販売しているのをご承知の方も多いだろう。販売形態がドコモの法人営業部によるシステム販売のみなので、一般の人がBlackBerry端末を買うことはできない。

しかし日本国内でBlackBerryは、まず売れないと断言できる。今回は「日本でBlackBerryが売れない理由」を徹底的に説明したい。

BlackBerry端末は、携帯電話にWebブラウザ、メールソフト、予定表管理機能などがついたもので、ふつうの携帯電話との最大の違いは、Lotus DominoやExchangeなどのデータが、知らない間に自動的に同期されるという点だ。

ふつうの携帯電話なら、ウィルコムのW-ZERO3なども含めて、携帯電話を操作してメールや予定表を読みに行く必要がある。一方BlackBerryは「圏内」にいる限り、サーバ側からPUSH型でデータを勝手に送り込んでくれる。この点がふつうの携帯電話との大きな違いだ。

ただ、BlackBerryが国内メーカーの多機能な携帯電話に勝っているのは、じつはこの点くらいなのだ。

では、仮にもの好きな日本企業がBlackBerryを導入したとして、それがどのように使われるか、利用シーンを想像してみよう。

まずオフィスの中でBlackBerry端末を使ってメールの送受信をするか?もちろんノーだ。

NTTドコモが提供するBlackBerryサービスは、FOMAの基本料金のほかに、月額5,700円のBlackBerry利用料が加算される。それどころか、パケット定額制が適用されない。メールや予定表を読み書きすればするほど、通信料金は限りなくふくらむ。

また、携帯電話の通話料金がかかるBlackBerryが、内線電話がわりに使われることもまずないだろう。

最近はデュアルモード携帯電話といって、オフィスにいるときは無線LAN経由でIP電話になり、通話料金がかからず、オフィスから出ると携帯電話に自動的に切り替わるなる機種が法人向けに販売されている。携帯電話を内線電話としても使いたければ、どの企業もこちらを選ぶはずだ。

ということで、当然といえば当然だが、BlackBerryの活躍の場はオフィスの外だけになる。

さて、ほとんどの企業で、業務上、社外に頻繁に出かけるのは、客先に行く必要のある社員だ。

ただ、客先に常駐で仕事をする人たちは、間違いなくモバイル通信のできるノートPCがなければ仕事にならないので、BlackBerryは必要ない。

また、海外出張や国内の宿泊出張で、定期的に会社のメールを送受信したり、予定表を読み書きする必要がある場合も、作業効率を考えてほとんどの社員がモバイル通信のできるノートPCを持ち歩くだろう。

したがってBlackBeryは、日帰り出張が多い社員に限られる。各主要都市に営業所がある企業の営業担当などがこのケースに当たる。

しかし、こういった営業担当の行動パターンを思い浮かべてみよう。

出先で気になって携帯電話でメールを確認すると、重要なメールが届いている。オフィスにもどるには電車で小一時間かかってしまう。早く返答をしなければ!

そう思った営業担当がとる行動は、間違いなく電話をかけることであって、BlackBerryの小さなキーをプチプチ押して、ちんたらとメールを作成することではない。

要するに、日帰り出張をする営業担当者に、社外からメールを「送信」するニーズがあるだろうか?ということだ。これも間違いなくノーである。

営業担当者に限らず、業務上、日帰り出張の多い社員は、スピード勝負の仕事をしているケースがほとんどのはず。そういう社員が社外で、BlackBerryに限らず、携帯端末でメールを作成するなど、まず考えられない。

メールを打っているヒマがあったら、さっさと電話で顧客に回答しろ。そして時間のできたときに日報に記録しろ、となるはずだ。

メールを打つ必要がないなら、中途半端なQWERTY形式のフルキーボードも必要ない。社内のExchange Outlook Mobile Accessなどに、ワンタイムパスワードで接続して、とりあえずメールの確認ができればいいわけだ。

幸い日本の大都市では地下でも携帯電話の圏内になっていることが多い。高い通信料金を払ってわざわざBlackBerryを導入しなくても、会社のメールを確認し、通話するだけなら、今までの携帯電話で十分なのだ。

また、BlackBerryシステムを導入するには、社内ネットワークにBlackBerry専用サーバ(BlackBerry Enterprise Server for Lotus Domino/Exchange Server)を構築し、運用する必要が出てくる。

しかも、いままでの携帯電話の代わりに、新たにBlackBerry端末を購入して配布し、基本的な使い方を再教育しなければならない。BlackBerry端末は、携帯電話というよりは携帯端末(PDA)に近く、操作をおぼえるのにそれなりの時間がかかる

BlackBerry導入にそれだけの投資が必