「格差」という言葉でおおい隠される日本の「貧困」
休日で何もすることがないので、ビデオニュース・ドットコムの「貧困は自己責任でいいのか」という放送回を観ていた。
「格差」という言葉で、その格差の最底辺にいる人たちの「貧困」の問題が隠されてしまう、という指摘は新鮮だった。
たしかに格差はあってもいい。しかし、だからといってその最底辺にいる人たちが、憲法で保障されている「健康で文化的な最低限の生活を営む権利」まで失ってもいいことにはならない。
ところが、世間一般の論調では、「活力ある社会を維持するには、格差はあってもいい」という意見がもっともらしく通ってしまい、格差社会の最底辺にいる人たちの生存権が軽視されつつある。
このビデオニュース・ドットコム放送回によれば、その背景の一つとして「高度経済成長」「一億総中流」という、後にも先にもない例外的な時代に生きてきた「団塊の世代」が、日本社会を動かすようになったことがある。
「団塊の世代」のおじさんたちは、自分たちが例外的に恵まれた時代に生きてきたことに鈍感なのだ。小泉首相の格差バンザイ政策に乗っかり、「貧困は自己責任だ」と若いワーキングプアを批判する。そういう今の日本社会の実態がよく理解できる。
ところで、このビデオニュース・ドットコム放送回で初めて知ったのだが、レオパレス21に入居するときの契約は、賃貸借契約ではないらしい。つまり、レオパレス21に入居した人は、借地借家法の恩恵を受けられない。
借地借家法では、家を借りている人が突然家を追い出されないように、解約を制限する制度があるのだが、レオパレス21はそういったセーフティーネットがかからないことになる。
そして最近は、スマイルサービスという企業があって、この企業の物件に入居するときの契約は、鍵付きの部屋を貸すというだけの契約らしい。つまり、スマイルサービスのマンションに入居している人は、法的にはホームレスになるのだ。
このような貧困層をターゲットにしたビジネスを、この放送回では「貧困ビジネス」と称している。米国の貧困ビジネスの最たるものは、貧困層の子女を米軍に就職させることらしい。国家が貧困ビジネスに加担しているということだ。
スマイルサービスのような企業が出てくるのも、小泉首相のネオリベ的政策、竹中平蔵氏の「経済が良くなれば、社会が崩れてもいい」という政策の結果、日本で「貧困」層が着実に増加しつつあることの証左、ということだ。
この放送回に出演している、東京大学大学院博士課程・湯浅誠氏の最新刊へのリンクを張っておく。
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