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2007/09/09

わずかな業務要件の違いが大きなITの差を産む

業務システムをどう構築するかというのは、思われているよりも繊細な問題である。

SEが頭をひねって、利用者部門に必要そうな機能をあらかじめ組み込んでおけば、利用者部門は何とかそのシステムを使ってくれる、という考え方は楽観的すぎる。

僕自身が経験した、とてもシンプルな事例を一つあげたい。Microsoft Exchangeの予定表機能を使うか使わないか、ということだ。

僕が在籍した正社員転職支援会社では、Microsoft Exchange Serverと連動したOutlookの予定表機能は使わず、わざわざ予定表管理に別のグループウェアソフトを使っていた。

一方、同じバージョンのExchange Serverを導入していた別の企業では、ふつうにExchange Serverと連動したOutlookの予定表機能を使っていた。

表面上の使い勝手だけみると、後者がどんな場合でも効率的のように思える。会議召集と予約登録がメールと完全に連動するからだ。

正社員転職支援会社で、わざわざ予定表に別のグループウェアを使った理由は、ただ一点、自分の予定と同時に、かならず会議室(面談ブース)を予約する必要があったからだ。

転職カウンセラーは、転職希望者との面談を自分の予定として入力すると同時に、かならず面談ブースをおさえなければならない。その会社にとって社内の会議室は、利益を生み出すための「生産設備」なのだ。

また受付嬢は一日の面談予定と面談ブースの予約状況を、つねに一覧しながら、来社された転職希望者に応対しなければならない。

そうした現場業務の効率性を考えると、別のグループウェアの設備予約機能を使うほうが、現場業務を最適化できる。もちろんその予約状況が基幹業務システムと連動すればベストだ。

会議室がもつちょとした意味的な違いだけで、グループウェアを2つ運用するか、1つで済むかという具合に、ITのかたちが大きく異なる。

当たり前のことだが、IT投資はあくまで業務要件で決まるものであって、その逆ではない。こと社内システムに関する限り、技術指向、シーズ指向のシステム企画は資金のムダであり、あくまで業務上のニーズが引き金にならなければならない。

当たり前のことなのだが、技術偏重のSEにとってはつねに「つまずきの石」になる論点でもある。

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