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2005/01/01

青山真治『EUREKA ユリイカ』

■青山真治監督・脚本・編集・音楽『EUREKA ユリイカ』(2000年)をDVDで観た。2000年のカンヌ映画祭の国際批評家連盟賞を受賞している。液晶ワイドテレビでシネスコの画面をまともに観るために画面サイズ変更ボタンを何度か押して迷ってしまった。

4時間近い映画を観るのが久々だったせいか、中盤のカットがあまりに長すぎたせいか、途中、何度か倍速再生した。バスジャック事件の凄惨な現場から生還した人々が、そのトラウマから再生する物語ということで、トラウマによるパニックに日常生活でいまだ多少の不自由を感じている僕には映画として突き放して観づらかったこともあるのだろう。カメラがあまり動かず、ロングショットと長回しが多用されている典型的なタルコフスキー型「哲学映画」で、学生時代の僕なら熱狂したかもしれないが、今の僕には一つの佳作としか評価できない。

演出は抑制が効いていて上品だし、演技も過剰なところが一つもないので基本的には好きな種類の映画であることには違いない。ただ。哲学的な主題の追求には明らかに不適切なシーケンスがひとつあった。四人の登場人物がみなサングラスをかけて高原を歩いて登っていくところだ。あのシーケンスだけで感情移入を妨げられたと言ってもいい。

それから劇場で観ていれば違ったのだろうが、同時録音の音声が聞きづらく、DVDに収録されているフランス語字幕を参考にしなければならなかった。モノクロネガをカラーポジに焼き付ける実験的な方法のモノクロ映画で、「再生」が実現したと思われるラストシーンだけがカラーになるというのは予想通りの展開。やはりこの映画に4時間近くも費やすことはなかったのかもしれない。

プロデューサーは仙頭武則。青山真治とともに音楽を担当しているのは、何と古厩監督『この窓は君のもの』の音楽の山田勲生(ちなみに音楽もあまりに気に入ったので先日『この窓は君のもの』のサントラCDをAmazon.co.jpで購入してしまった)。役所広司の妹役で出演している尾野真千子は『萌の朱雀』の主演女優。バスジャック犯役の利重剛は矢口史靖監督『ひみつの花園』に西田尚美の相手役で出演していた。役所広司に殺人の嫌疑をかける刑事役の松重豊は矢口監督『アドレナリン・ドライブ』にヤクザ役で出演していた。なんだかこの手の映画は世界が狭くって。


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